(江戸さんぽ)浜離宮恩賜庭園から浅草を歩く休日
🔳将軍家の庭 浜離宮恩賜庭園
先日、ワールドトレードセンターの展望台から眺めた浜離宮恩賜庭園。今回は実際に歩いてみました。
美しい庭園の後ろに高層ビルが立ち並ぶ、都会ならではの光景が広がります。
浜離宮恩賜庭園はかつて徳川将軍家の庭だった場所。時代が下ってからは天皇家所有となり、その後東京都に下賜された経緯があります。
2箇所の鴨場もあり、そのうち一つは東京湾の海水も引き入れているという潮入り(しおいり)の池になっています。
庭園内のあちこちに橋がかかり、お茶屋も点在しています。中島のお茶屋では抹茶とお菓子(有料)を楽しむことも出来るようです。
この庭園の歴史で興味深かったのは十一代将軍家斉(いえなり)の時代、自慢の庭を自ら楽しむだけでなく、ときには幕府の役人たちを庭に招き、いわば園遊会を催したというエピソード。
こちらの一節から、とある日の様子を知ることができます。
御庭の亭などは自由に見てよいと仰せつけられ、気に入った植木があれば苗木を抜き取るようにとのことだった。
そこで、招待された者たちは、めいめい数本を抜き取って鼻紙に包んで申し出ると、帰るときに鉢植えにして下賜された。(中略)
御庭では料理や酒が出され、下戸のためには梅酒も準備された。帰途には、鉢植えになった植木のほか、岡持いっぱいの寿司やお菓子などを持たされた。
幕臣としては、このうえない栄誉となる一日である。特に植木は、自宅の庭などに植えることによって、永くこの日の思い出をとどめさせようとい家斉の配慮だった。
(決定版 江戸散歩/山本博文著)
さぞかし感動して帰宅し、家族にその日の様子が語られたことでしょう。そうした歴史も想像しながら歩くとちょっと楽しい。
さらに、もう一つ見ておきたかったのが「将軍お上がり場」。
十五代将軍慶喜が鳥羽伏見の戦いで敗れ、大阪城から開陽丸で逃げ帰ったときに上陸したのがこの場所。
そして、十四代将軍家茂が大阪城で没したあと、遺骸が軍艦にのせられこの庭に上げられた場所でもあるそうです。
🔳イベント「大江戸ええど 2019」
この日はこんなイベントも開催されていました。
屋台が出たり、
肉ばっかり食べてみたり、
邦楽演奏を聴いてみたり。
「福島の起き上がり小法師」の色塗り体験をさせてもらったり。
意外に盛りだくさんでした。
🔳浜離宮から浅草へ 水上バスで移動
この浜離宮恩賜庭園からは水上バスも出ています。ここからは水上バスに乗って浅草に向かいます。
バスとはいえ30分程度かかりますので、ちょっとした旅行気分を味わえます。
レインボーブリッジが見えます。
先日散策した石川島の灯台も見えてきました。
延々と続く行列。ちょうどテレビの24時間チャリティーイベントが行われていた日でした。
まだまだ続く行列。嵐の偉大さをこんなところで感じる。すごいなぁ。
スカイツリーがだんだん大きくなってきた。
アサヒビールのオブジェが輝いています。
🔳アサヒビール展望ラウンジで隅田川の眺望を楽しむ
せっかくなので、22階にあるスカイルームで一杯。
展望ラウンジ アサヒスカイルーム | お店検索 | アサヒビール
ビールを飲みながら気軽に展望台気分を味わえます。レストランだと行かれるタイミングが限られますが、カフェのように利用できるのが嬉しい。
隅田川を見下ろしながら、
となりにスカイツリー。
真横からみられる珍しいアングルです。
🔳並木 藪蕎麦から神谷バーをハシゴする
小腹が空いたので、続けて並木藪蕎麦へ。
店内も老舗の風情なのに新しく清潔感があり、とても居心地がいいお店です。
並木藪蕎麦 (なみきやぶそば) - 浅草/そば [食べログ]
帰ってから手元の本を読んで謎がとけました。
並木 藪蕎麦(台東区 雷門)
2011年に老朽化した店舗の建て替え工事をした。ビル化も止むを得ないと思って工事の進行を見つめていたが、完成された建物は以前と全く同じ規模同じ形で、内部の客席の配置から帳場、厨房の位置まで同じだったのには驚かされた。同時にこれこそが本当の老舗の矜持と改めて思い知らされたものだった。
(墨絵で描く江戸蕎麦屋/伊嶋みのる著)
浅草をひと回りしたところで、最後に神谷バーへ。
話に聞く電気ブランを体験してみました。
ブランデーのカクテルみたいなもの。とのことですが、とてもアルコールが強すぎて飲みきれませんでした。
しかし、周りでは特大ジョッキのビールを飲んだ後で電気ブランを飲んでいるツワモノたちがほとんど。恐れ入りました。
▷参考図書
墨絵で書かれたお蕎麦屋さんの風情がとても素敵な本です。