〈本〉「ぼんくら」、「日暮らし」 (宮部みゆき著)
時代小説が好きです。
今回は、宮部みゆき著 「ぼんくら」、「日暮らし」を読んでみました。
以前、「三島屋変調百物語」や「荒神」が新聞連載されたことをきっかけに読んだことがあります。
それまで、時代物の書き手というイメージは全くありませんでした。幅広い作風はさすがですね。
今回、久しぶりに立ち寄った古本屋さんで違うシリーズを見つけたので手にとってみました。
◾️主人公の冴えない、でも実は頼りになる主人公の同心 井筒平四郎と、それをとりまく人々の人情話しを中心に物語りがすすめられていきます。
もう一人の主人公ともいえる平四郎の甥 弓の助が登場してから、物語りが一気に加速していきます。
この弓の助と、おでこというあだ名の超人的な記憶力をもつ子どものコンビの活躍がとても可愛らしく、明るい気持ちで読み進めることが出来ます。
長編時代ミステリーという謳い文句ほどにはミステリー要素は少なく、最後まで心地よく読める作品です。
◾️もうひとつの楽しみは、表紙や扉絵に描かれている村上豊さんの挿絵です。
作品のイメージにぴったりなことはもちろんですが、なんともいえないユーモラスな作風が印象に残ります。
肩のこらない、気軽に楽しめる作品です。