美しい言葉に触れる 「辰巳芳子のことば 美といのちのために」
🔳不安にとらわれないために
先走って老後の心配をし過ぎたり、
連日の報道で災害について不安になったり、
先々の予測できない心配事や不安ばかりに気を取られてしまうようなとき、私は美しい言葉に触れるように心がけています。
そうすると、心がシャンとするような気がします。
そして、必要以上に不安にとらわれないようにすること、あれこれと欲張る必要のないことを思い出させてもらいます。
私にとって、そんな気持ちに立ち返らせてくれるのが辰巳芳子先生の著作です。(勝手に私淑しているつもりなので先生と呼ばせていただきます。)
🔳美しく生きるためには
いつも自分の意識に磨きをかけないと、
まず自分自身が美しい人間になれない 。
私は常々、「美」というものは、最も重要な「気づき」であると考えてきました。その「気づき」に従って「美」を求めていくことで、人は生きていきやすくなる。そのように思っています。
私が辰巳先生の言葉でよく思い出すのは、「人は頭でなくて、もっと手を動かさなければなりません。知っているということと、出来るということは全く違います。身につけるということは、そうした繰り返しのなかでしか出来ないのです。」という趣旨の言葉です。
記憶に頼っているので言い回しはだいぶ異なるかもしれませんが、ついつい頭でっかちになりがちな自分を戒めるための言葉にもなっています。
🔳ありふれた日常の中にこそ
そして、常に「日常の中に美は宿る」と語られる辰巳先生。とりわけご専門の料理についての言葉が印象に残ります。
「美味しい」ということは、
人間にとって、
もっともわかりやすい美だと思います。
なかなか身につかないのが哀しいところですが、辰巳先生の本を読むとしばらくは野菜を丁寧に切ろうと意識したり、毎日いただくお茶も丁寧に淹れようとと心がけるようになります。
そして、平凡な毎日をきちんと丁寧に暮らしていくということは非凡なことであるということを思い出させてくれます。
🔳本当にしなければいけないことは
何年か前に、映画「天のしずく」が上映され、辰巳先生の暮らしぶりがドキュメントのように発表されました。映像のなかで静かに流れる時間がとても清々しい素敵な作品になっていました。
明日に間に合わなくてもいい。
本当にしなければならないことをやってください。
将来に向けての準備も怠らず、でも、本当に大切なことを見失わないように注意していきたいと思います。